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日本人調理師向けのビザ解説①

By January 10, 2020 February 24th, 2020 No Comments

皆様、こんにちは。YourLegalsジャパンデスクの西尾です。今回は、日本人のオランダ調理師ビザ移住に関する話をさせて頂きます。

オランダ、日本人調理師向けビザ

YourLegalsジャパンデスクでもいくつか、日本人がオランダにて調理師ビザの取得がしやすいと述べてきましたが、数回のブログ記事に分けて、もう少し分かり易く内容を記載をしていくこととします。

日本人調理師向けビザの条件など

なぜこの調理師ビザに関して繰り返し触れるかと言うと、このビザが個人事業主ビザと同様、取得がしやすく日本人としての特権を活かせるものだからです。日本でシェフとしての仕事に悩んでいる方、海外経験を積みたい方にとってはピッタリのものであると考えています。そして何より、オランダに住む日本人として、オランダの飲食業会に日本人のシェフが活躍し、私たちもより質の良い食事をしたいと心から願っているという気持ちも強いです。

ホスピタリティ産業の労働力不足

*ホスピタリティ産業とは、主に人的接客サービスを提供する業種で、 宿泊業、旅行業等を指すとお考えください。この文章を読まれる方は「レストラン系」と理解しても良いかと思います。

なぜ調理師のビザが取得しやすいかは、「日本食が大人気」「日本人シェフがもっと欲しい!」という日本人に限定されたものではなく、そもそもオランダ国内のレストランをはじめとするホスピタリティ産業の従業員が大幅に不足しているという背景にあります。例えば2019年7月に書かれたこちらの記事を一部日本語訳してみると、おおよそ以下のようなことが記載されている。

アムステルダム市内のBazarというレストランは、どうにもならなかった。2019年1月に従業員不足によりしばらくお店を閉めることとなった。というのも約5ヶ月もの間、従業員を見つけることができなかっからだ。このBazarのみならず、市内で歴史もあるBrasserie Beemsというレストランも33年の歴史に幕を閉じ、Cafe Finchも24年の歴史に幕を閉じることとなってしまった。

この背景にはオランダのホスピタリティ産業の急激な拡大がある。アムステルダム市の統計によれば、2014年には市内のホテルやレストランはおおよそ4500程度であったが、今や6000近くまで増えていて、この上昇はオランダの観光産業の発達が大きく起因しているとING経済学者は述べている。また5年前におおよそ37,500の仕事数であったアムステルダム市内のホスピタリティ産業は現在、33%前後上昇し50,000にまで上っているという数字もCBSの調査で明らかになった。

この国の人々は自身の大学や専門学校の専攻から仕事を選択する傾向にある。海外ではホスピタリティ産業での労働がフルタイムのきちんとした仕事として捉えられているのに、この国では「本当の仕事を見つけるまでの一次的な仕事に過ぎない」と考える人々が多い。この点においては、オランダの文化的意識の変化が必要であるだろう。人離れを防ぐには、週に38時間以上の労働をさせないこと、従業員側の要求をより汲み取っていくことなどが対策としても考えられると、Evers氏は述べている。

UWVによれば、現在アムステルダムエリアにはオンライン上のみでも510も求人があり、その他オンラインには掲載されていない求人も数多くあるだろうと経済学者のLumanは述べている。

Evers氏とLuman氏は人々を雇うことに関して、「アムステルダムのホスピタリティ産業はより多くの外国人やより多くの若者に依拠していく。しかしながら、この労働力不足は加速するばかりだ。より良い給料を与え、個人事業主を雇い、アムステルダムの外から人を雇うことなど会社は計画を慎重に検討する必要があるだろう。」と述べている。

(以下省略)

このようにアムステルダム市内のホスピタリティ産業の労働力不足は非常に深刻な状況であることが分かります。また2019年8月のこちらの記事には、オランダ全体のホスピタリティ産業に関する以下のようなことが書かれています。

ロイヤル・ホレカ・オランダのRobèr Willemsenは、オランダのケータリング会社の成長は著しいことを指摘する。ホスピタリティ産業で働く人々の数は350,000人前後であるが、本来は400,000人は必要である。それに加え向こう5年で450,000人まで必要人数が伸びると予想されている。人々が外出をし楽しむ人々が増えているこの状況は、経済的には良い兆候であるが、一方でこの分野の労働人口不足は大きな課題となってくるだろう。

もちろん、その他の産業も人手不足であるに違いないので、それらの産業に競り勝って良い人材を獲得し、その人々を保ち続けねばならない。労働者に良いトレーニングをし、良い労働環境を与えるなどの対策も必要だ。

例えば、売り上げ成長は170億円から20億円17になる。この成長に対し、労働力不足は予期できなかったことなのだろうか?確かに、この夏の労働力不足は予想を超えていた。私達は、海外からの労働力を受け入れることを重要な解決策として考えている。こういったことは何年も取り組んできたこと。例えばスペインからのシェフを考えても品質が下がることがないのであれば、世界から労働力を獲得することになんのデメリットもないのです。

(以下省略)

こういった記事は、少しインターネットで検索しただけでかなりの量が出てきます。また、私のような飲食業界と全く関係のない人間でも、このような話は繰り返し耳にしてきました。例えば、オランダの日本食レストランでは、シェフがアムステルダム市内のレストランを転々と移動する状況があったり、外国から短期的に日本人のシェフを呼ぶという話も聞いています。

さて、今回はオランダでの日本人調理師ビザ取得に関する記事の導入として、オランダ国内のホスピタリティ産業で起こる深刻な労働力不足に関することを記載しました。このビザを取得し、海外経験、オランダ生活を経験することは、ご自身の人生にも大いに役立つものではないでしょうか?

引き続き、調理師ビザ関連の記事をあげていくこととします。オランダ移住関連の問い合わせはYourLegalsジャパンデスクに気軽にご連絡ください。

<参考資料>

Het Parool, Horecazaken sluiten deuren door tekort aan personeel, 18-07-2019, David Hielkema

AD, Nederlandse horeca luidt noodklok: personeelstekort nog nooit zo groot geweest, 26-08-2019, Miranda Coehoorn

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